はじまりの一冊。 『MORE OR LESS VOL.8』

MORE OR LESSほんっっと、ごめんなさい。
いつも公開が終わった映画とか、インディーズのCDとか
手に入りにくいマイナーなものばっかり紹介してるんですけれど。
(それでも、しかるべき店に行けば入手できるんですよ。実は)
でも、今回紹介する本は手に入りにくいどころか、
確実に入手不可能です。自信あります。
いろいろ検索してみましたが、どんな販売サイトでもことごとく品切れ。
そんな本を紹介しちゃって、ほんっとごめんなさい!
でもね。
この本、バンコクのポップカルチャーをきれいに網羅してるんですよ!
一冊読めば、その基礎知識が無駄なく身についてしまいます。
マジですごい本です。これ。
この『MORE OR LESS VOL.8』が発売されたのは今から3年ほど前。
2002年9月27日です。
この時の状況を僕なりに思い出すと、
インディーズの祭典「Fat Festival」はまだ第2回が開催されてなくって、
インディーズ自体の認知度も今より低く、
本当に好きな一部の人が熱く注目してるって感じだった……と思う。
(当時は、僕は在タイ1年目で右も左もわからなかったので、
いまいち認識が間違ってるかもしれない)
インディーズのCDもショップに置かれることは置かれるけど、
在庫があんまりなくって、すぐに店頭から消えてしまうとか、
一部の店でないと手に入らなかったり。
音楽的にはすごくいいのに、
「Fat Fes」とDJ Siamでしか売ってないようなCDもいっぱいあったし。
タイ国内でさえそんな状況だったんです(たぶん)。
日本でのインディーズの認知度は推してしかるべしです。
そんなときに出たわけですよ、この『MORE OR LESS Vol.8』は!
この本は、「アジア各都市のカルチャー・シーンに注目しよう! いま、アジアが熱くなってるんだぜ!」というムックシリーズで、
1号につき1都市を取り上げて、
その都市の編集者が制作に参画するというもの。
各都市のカルチャー・シーンの真っ只中にいる人間が制作に参加するので、
「いま」の全体像を的確に伝えられるだけじゃなくって、
カルチャー・シーンの熱とか、その国のシーンのカラーみたいなものも
一緒に伝えられるという、素晴らしいアイデアなんです。
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発行人は、『STUDIO VOICE』などカルチャー雑誌の編集に携わる吉田広二。
そして、バンコク編となるVol.8のゲスト・エディターは、
タイ現代文学の旗手ことプラープダー・ユン。
彼が音楽・映画・写真・マンガなど各ジャンルから数人ずつ
キーパーソンとなる人間をえらんで、紹介してます。
やっぱりシーンの中心にいる人だけあって、
バンコク・ポップカルチャーのエッセンスがきっちりと、
抜かりなく凝縮されたチョイスなわけです。
しかも、ここで取り上げられてる人のうち何人もが、
2005年の今、さらに有名になったり、
シーンでより重要な位置を占めるようになってたりと、
先見の明すら感じさせます。
例えば、どんな人が取り上げられているかというと……、
作家:プラープダー・ユン
レーベル:smallroom、Hualamporn Riddim
アーティスト:Momoko Ueda(後にFutonのメンバーに)
バンコク日本文化センター所員:吉岡憲彦(日本とタイのポップカルチャーを交流させるイベントを多数手がける。『地球で最後の二人』のケンジのモデル)
映画監督:ペンエーク・ラッタナルアン(『6ixtynin9』『わすれな歌』など)
映画監督:ピムパカ・トウィラ(ニコル・テリオー主演映画『One night husband』)
マンガ家:ウィスット・ポンニミット
アーティスト集団:ナッツ・ソサエティ
デザイナー:ウィット・ピンカンチャナポン
ほかにもいっぱいいるんだけど、
どの人も「2005年の現在」における要チェック人物ばかりです。
僕自身、このムックが出たときは
「日本語とタイ語両方が出てるし、面白いから買っとけ!」
くらいの気持ちで買ったわけなんですが、
いま読み返してみて、その内容のすごさがようやくわかりました。
でもって、この本は日本でも発売されたわけなんですが、
日本のコアな人々=業界の方々にバンコクのカルチャー・シーンの熱さを
伝える結果となり、「その後」につながっていったりしたみたいです。
そんな「はじまりの一冊」。
バンコクのポップカルチャーが知りたい! という人は、
とりあえず、この本を読むことをお勧めします。
って、とっくに品切れなんだった……。
でも、古本屋で見つけたら、即買いすることをお勧めします!