みんなマリーに首ったけ。『36』のナワポン監督による最新作『MARY IS HAPPY, MARY IS HAPPY』がタイ・インディーズ映画史上ナンバーワン興行成績を記録!

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昨年紹介したインディーズ・タイ映画『36』ナワポン・タムロンラタナリット監督の最新作『MARY IS HAPPY, MARY IS HAPPY』が最近のイチ押しです。
第70回ヴェネチア国際映画祭、第18回釜山国際映画祭、第26回東京国際映画祭でそれぞれ上映された後、タイ国内では11月28日より公開中なのですが、これが、「タイのインディーズ映画にしては」というカッコ付きではありますが異例の快進撃中。
上映3週間目にして、興行成績がなんと100万Bを突破! 上映館はバンコクのLidoとHouseの2スクリーンのみ(公開当初は一部のメジャー系列館でも上映)で、どちらも「入場料100B」をいまだに守り続けているので、単純計算でのべ約1万人が観に行った模様。


ちなみに、これまでの最高記録はカンヌ映画祭のパルムドール(最高賞)を受賞したアピチャートポン・ウィーラセータクン監督『ブンミおじさんの森』の100万Bだそうですが、『MARY~』はHouseで来年頭くらいまでは上映されそうなので、『ブンミ~』を抜いて歴代興行成績第1位に踊りでたことになります。
ちなみに僕は公開初日に配布されたサントラCD目当てに並びに行ったのですが、初日は全5回の上映回が完売。僕もすでに2回鑑賞したのですが、すっかりハマってしまいました。
■『MARY IS HAPPY, MARY IS HAPPY』予告編


■『MARY IS HAPPY, MARY IS HAPPY』予告編「もしいまだに見てないんだったらどうしたらいいの編」

映画の内容はというと、
マリーとスリは高校生で親友同士。卒業を控えて、アルバム委員になったマリーはスリの協力を得て同級生たちの撮影にはげむが、マジックアワー、つまり日光が最も美しくなる日没前に撮影することにこだわっているため、なかなか制作が進まない。
制作費を先生にもらったり、それをとんでもないことに使ってみたり、不意に恋が訪れたり。マリーが卒業アルバムを完成させるまでの期間の出来事を、実際にツイッター上に投稿された410本ものツイートに絡めて描き出す。

といったもの。ツイッターを投稿する「カシャッ」という小気味いい効果音に合わせて場面が切り替わったり、新しい展開が始まったりする演出がテンポよくて面白いです。
物語はポスターの彼女らが着ている白と赤のTシャツが制服になっていたりエキセントリックな先生ばかりいる、非日常世界の高校やその周辺を舞台に展開されるのですが、
マリーという可愛くて変わり者で(たぶん友達が少ない)女の子の魅力、親友・スリと交わされる会話の妙味、そして2人の心理描写が可愛らしくて面白く、そして切ないシーンもあって、見ているうちにグイグイと作品世界に引き込まれていってしまいました。
マリー
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スリ
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この写真見るだけでも2人の女の子に魅力を感じます。
作品内の音楽はすべてBear Gardenが担当。これがまた作品世界にぴったり合う! 特にオープニングのドラムロールは何度聴いてもワクワクしてきます。
さらに作品内にはGreasy CafeやらYellow Fang、Ten To Twelveのメンバーなど、タイ・インディーズ界ではおなじみの人が登場しているほか、「RETWEET」と称して、インディーズのアーティストたちがこの作品に出てくるツイートを曲名に冠した新曲と次々と発表。主人公たちが着ているTシャツも注文が入りまくっていて、ちょっとしたムーブメントとなっていたりします。以下は「RETWEET」曲の一例。
■PART TIME MUSICIANS「ฯลฯ」(エトセトラとかあれこれみたいな意味のタイ語)

■PLOT「マイ・ミー・アライ・マイ・ローク トゥク・ヤーン・メーン・ゴ・ガオ・モット」(新しい事なんて何もない 全部古い事ばかり)

■PLASTIC PLASTIC「イップ・ヘーム・ペーン・ティー・ホック」(6枚目のハムを手に取った)

などなど、この「RETWEET」作品を掘り下げていくだけでもかなり面白く、特にタイの今どきカルチャーに興味のある若者を中心にヒット中です。
公開からもうすぐ1カ月経つので、上映館はだいぶ減ってしまいましたが、12月25日以降もRCAの映画館Houseで1日2回上映される予定なので、ぜひ観に行ってみてください。
上映スケジュールはHouseのFacebookページで随時更新中。英語表記もあります。
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