あの筒井康隆が77歳にしてラノベに本気で挑んだ! しかも相当エロいらしい。『ビアンカ・オーバースタディ』

最近はとんとご無沙汰していますが、実は私、大の筒井康隆ファン。いわゆる筒井ストだったりします。
『時をかける少女』『七瀬ふたたび』みたいなジュブナイル系の作品も、『俗物図鑑』『歌と饒舌の戦記』といったスラップスティック系、『残像に口紅を』『虚航船団』といった実験的作品もまんべんなく好きで、特に時間の有り余っている大学時代は、熱にうなされたように次々と読んでいた記憶があります。
そんなわけで、タイに住んでからも新刊が出ると横目でチェックしていたのですが……。まさか、今度の新刊がこんな表紙のラノベになるとは!
Tsutsui01
公式サイトの方であとがきと第一章の一部が公開されているのですが、これも筒井康隆らしいです。


特にあとがき! これだけでも筒井節全開でなんだか楽しみです。
あとがき
ながらくお待たせした。
この「ビアンカ・オーバースタディ」は最初「ファウスト」用に三分の一を渡してから二年も経ってからやっと出た。これは編集者の太田が悪い。
さらに次の三分の一を渡してから『ファウスト」が出るまでに二年かかった。太田が悪い。
最後の部分を渡してから、これはいとうのいぢの絵を待つために一年足らずの時間が経った。太田が悪い。
この本にはふたつの読みかたがある。通常のラノベとして読むエンタメの読みかた、そしてメタラノベとして読む文学的読みかたである。どちらでもお好みの読みかたで読んでもらってもよいが、できれば両方の読みかたで読んでいただければありがたい。太田が悪い。
別にエラソーに言っているわけではない。ラノベの読者は多いから、できればこの本を読んだ何分の一かの読者を、わが本来の作品に誘導したいだけなのである。
ところで、ラノベはよく売れるので、たいていは続篇が出る。この作品も続篇を書きたいところだが、あいにくわしはもう七十七歳でこれを喜寿というのだが、喜ばしくないことにはもう根気がなくなってきている。「ビアンカ・オーバーステップ」というタイトルのアイディアがあるから、誰か続篇を書いてはくれまいか。別のタイトルでもよく、大ネズミが出てこなくてもいいので、傑作を書いて大もうけしていただきたいものだ。
太田が悪い。
二〇一二・夏
筒井 康隆

太田さんうらやましすぎ! こんなにいじってもらえるなんて編集冥利につきるよなあ。
この表紙、レジに持っていくのは恥ずかしすぎるけど、今ならamazonという素晴らしいサービスがあるので、それでなんとか手に入れたいと思います。