実在した伝説のマフィアを描いたタイ映画『アンタパーン』

GangsterPOSTER
昨日はひさびさに映画館へ足を運んできました。観てきたのはこちら、6月14日公開のタイ映画『アンタパーン』(英題:Gangster)です。
このところしばらくタイ映画から疎遠になっていまして(というか、タイ音楽の方からも遠ざかり気味。ライブさぼりまくりです)。劇場でタイ映画を観るのは実に7カ月ぶりです。困ったもんです。
で、7カ月ぶりに重い腰を上げて観に行ったこちらの作品、かなり良かったのでご紹介します。


まずは予告編からどうぞ。
■映画『アンタパーン』(予告編)


タイトルの「アンタパーン」とは英題が示すとおり「ギャング」「ヤクザ」「マフィア」の意味ですね。
舞台は1950年代、戦後の混乱が残るこの時代、タイではマフィアたちのグループが街を闊歩し、賭博場や娼館などの縄張りを争って激しく対立していた。このマフィア同士の戦いと当時の時代・風俗を、実在した伝説のギャング「デーン・バイレー」とその右腕の「ジョット」の2人を軸に描く……というのが作品のあらすじ。
デーン・バイレーはその強さと一本筋の通った侠気で、当時の若者の憧れの的だったというギャングです。名前の「バイレー」はバヤリース工場で生まれたのが由来だそう(タイではバヤリースのことを「バイレー」と呼ぶ)。
このデーン・バイレー、この時代を舞台にしたマフィアものの映画や演劇などでは主役級として登場することが多いようです。
※ちなみに、まったく同じ時代をテーマにしたマフィアものの映画としては、1997年公開の『2499アンタパーン クローン・ムアン』(1956年マフィアが街を支配する)があります。
こちらは『ナーンナーク』『ジャン・ダーラー』などタイ映画史に名前を残すような名作を生み出しているノンスィー・ニミブット監督のデビュー作なのですが、英題『Dang Bireley’s and Young Gangsters』が示すとおりデーン・バイレーの生涯を描いた名作になっています。
詳しくはこちら。
が、今回の『アンタパーン』ではこのデーン・バイレーよりも、その右腕として活躍したジョットにスポットをあてているのが特徴です。
家族思いの優しい男でありながら、自分の属するもう一つの家族(マフィア)のためなら冷酷な殺しでも平然とやってのけるジョット。彼はいつしか「頼れる兄貴」としてのし上がっていく……。
デーン・バイレーやジョットに心酔し、自らものし上がりたいと願う若者。
一方で、そのデーン・バイレーやジョットと対立する敵グループ。こちらも手製の爆弾をいつも持ち歩いている奴、銃の引き金が異様に軽い奴など魅力的です。
そして時代が移り変わってサリット首相が政権をにぎると、国の秩序を回復するため、軍部の力によって街にはびこるマフィアを一掃しようとします。次々と投獄されるギャングたち。
そして、マフィアの一掃を目論む軍人・通称「キャプテン」の存在……。

なんか、ネタバレしないように書くのって大変ですね。なので結論。
今回の『アンタパーン』、18禁指定のマフィア映画だけあって、セックス&バイオレンスなシーンが次々と出てきますが、そういうシーンがOKという方はかなり楽しめると思います。
いきなり回想シーンが始まったりして物語の時系列が混乱する部分はありますが、当時のマフィアたちの「男の世界」や銃撃戦のシーンあり、60年以上前のタイの風景あり。ストーリーもなかなかテンポよく展開していくし。
というわけで、おすすめです!
(ただ今公開4週目に突入してしまった上、先週から『アメイジング・スパイダーマン』が始まったため、上映館が激減していますが……)