東北タイ人の胸の内 『スア・ローンハイ』

スア・ローンハイ日曜日、前にちらっと書いたタイ映画『スア・ローンハイ』を見てきました。
僕は、「イサーン(タイ東北)地方出身の有名人5人の姿に迫るセミ・ドキュメンタリー」って書いたんですが、ちょっと間違っていました。
確かに5人だったんですけれど、
有名人なのは2人だけで、残りの3人については無名の一般人でした。
ごめんなさい。
この作品内でフィーチャーされる東北タイ人は以下の5人。
(僕のタイ語力の問題で、若干間違ってる所があるかもしれません)
①映画の裏方として、日々危険なアクションを演じるスタントマン
②お笑い芸人を志し、カフェー(タイの演芸場兼レストラン)で下働きをする男
③故郷に帰る機会を作るため、長距離トラックの運転手への転職を考える中年女性のタクシー運転手
④モーラム歌手のポンサック・ソーンセーン
⑤有名お笑い一座を主宰するコメディアン、ルアフア・モクジョク。②の男の働くカフェーでお笑いショーをやっている
公式サイトによると、「これら5人を1年間取材し、300時間撮りためたフィルムを1時間半に凝縮」していて、
「やらせ一切なし。実際の姿を撮影したもの」だそうで、
基本的には、5人がそれぞれ働いたり練習している姿と、
本人への直接のインタビューで構成されてます。
(日本の)テレビのドキュメンタリー番組にありがちなナレーションは一切なし。
なので、かなり淡々と映像が流れていく上、
ナレーションによる前置きなしで、いきなり見覚えのない人が喋りだしたりするので、
僕みたいに予備知識の少ない外国人にとっては、ちょっと戸惑います。
ドキュメンタリーなので、ストーリーにメリハリがあるわけでもなく、
正直言って最初はかなりつらかったんですが、
見ていくうちに、徐々に引き込まれていく内容でした。
特に興味深かったのは、体を張りまくってるスタントマンの話。
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スタントのための練習シーンや、
あこがれのトニー・ジャー(『マッハ!!!!!!!』主演)と共演(といっても主役vs敵その一だけど)した話、
トニー・ジャーが映画の中でしていたアクション(空中で前転して蹴りを入れる)を自分でも練習してマスターするシーン、
炎まみれになるシーン、本物のガラスに突っ込んで割るシーンなど、
アクション映画の舞台裏を垣間見せてくれます。
そんな感じで、彼らがバンコクで仕事に打ち込む姿を描いているのですが、
同時に、バンコクにいる東北タイ人の胸のうちをもインタビューで描いています。
そして、彼らが口をそろえていうのは、
「いつでも故郷に帰りたいと思ってる」
「バンコクは怖い。バンコクの人はみんな仮面をかぶっている」
「家に帰りたいんだ。でも僕は家族にあげるお金を持ってないから……」
といった「望郷の念」。
僕は普段の生活の中では、あまり東北タイ人と触れ合う機会がないし、
たまに触れ合っても、こういったシリアスな話はほとんどしないせいか、
彼らの話す胸の内は非常に興味深く、ためになった気がします。
惜しむらくは、内容がやや散漫で、ストーリー性に欠けること。
まぁ長編第一作ということなので仕方がないのでしょうが……。
その一方で、監督は非常に真摯かつ誠実な視線で彼らのことを取材しているな、という印象も受けました。
荒削りではあるものの、
観て心に残るものがあるドキュメンタリー作品ではないでしょうか。