タイの「オルタナティブ」を考える。

Pang Nakarin Kinsak
ブログ読者のmikさんから
「すみません!日本のオルタナティブとタイのオルタナティブ&日本のインディーとタイのインディーの違いをなんとなくおしえてくださいっっっ」
というコメントが入ったので、その辺の違いを自分なりに説明してみようと思います。
が、別に専門的に研究したわけでもなんでもないので、正確さに欠ける部分も多いと思いますが、ご容赦を。
「今まで読んだ雑誌の記事やタイ人の使い方を見ていると、こんな風に区別しているみたいだよ」という僕なりの感想なので、そのつもりで読んでいただけると助かります。
まず日本とタイの「インディー」の違いについては昔書いたこの記事を読んでみてください。
で、今回はタイの「オルタナティブ」について書いてみたいと思います。
「日本のオルタナティブ」については、ううっ、すみません。うまく説明できません。
でも、普通の日本人が「オルタナティブ」という時は、特に「オルタナティブ・ロック」のことを指しているのではないでしょうか。
「Wikipedia」の「オルタナティブ・ロック」の項目を見ると、広義から狭義までいろんな定義があり、それらが時と場合に応じて違った意味で使われる、あいまいな言葉のようです。
「タイのオルタナティブ」は、広義で言えば「Wikipedia」のものと同じだと思いますが、狭義で使うときの意味は、こんな感じだと思っています。
90年代半ば、特に’94~’97年にかけて巻き起こった、「大衆向けの王道的タイポップスではなく、最新の洋楽の要素をふんだんに盛り込んだ音楽をやろう」という新しい音楽のムーブメントや、その音楽ジャンル。王道的なタイポップスに対抗して生まれた「もう一つの音楽」として使われる。
94年頃というのはBoyd KosiyapongMr.ZSukieBakery Musicを立ち上げた年であり、Moderndogが活動し始めた年ですね。
その頃、GMMグラミーやRSに代表されるレコード会社は「ポップス」というよりは「歌謡曲」と呼ぶべきような、単純な歌詞とベタなメロディーで大衆ウケを狙ったような曲ばかりを出していたのですが、当時の都会の進んだ若者にはそれがいまいちピンと来ない。
というわけで、自然と「センスのある人は洋楽を聴き、そうでない人はタイ音楽を聴く」ような風潮が出来上がっていたのですが、それに風穴を開けたのが、当時洋楽の最先端だったR&Bをタイ語でやったBoydであり、UKロックをやったModerndogであり、テクノをやったMr.Zであり、ラップをやったJoey Boyなわけです。
Bakery Musicとは関係ないですが、ProudCrubPang Nakarinなども同じような時期にCDをリリースして、やはり同じ衝撃をタイ人の音楽ファンに与えています。
彼らの曲が発表されると、それまで洋楽ばかり聴いていたコアなファンも「俺たちの聴きたい音楽がこのタイでも作られ始めた!」と大喜び。
Bakery Musicという先駆者が現れたことで、我も続けと一大音楽ムーブメントが巻き起り、最も多い時期で約200社の小規模レーベルが乱立したそうです。
大きいところではBakery MusicやONPA、Sony BEC TEROといったレーベルですね。
が、そんな隆盛を極めていたレコード会社たちも97年に起こったアジア経済危機によってほとんどが倒産の憂き目に。これ以降、99年後半まではメジャー、非メジャー問わずタイ音楽界はかなり冷え込んでしまったようです。
「タイ・オルタナティブ」という言葉を狭義で使う場合は、主にこの一連のムーブメントの中で生まれた、主にロック系のバンドやアーティストを指しています。
アーティストでいうと、主にこんな人たちです。
・Moderndog
・Crub
・Proud
・Pang Nakarin Kinsak
・Blackhead
・Paradox(インディーズ時代のみ)
・Silly Fools(インディーズ時代のみ)
・Kid Nappers
・シー・タオ・ター
・Smile Baffalo

ただし、もっと正確にそれぞれのバンドがやっている音楽ジャンルで呼ぶことも多いし、その辺は適当ですね。
また、この時代に活動していなくても、その流れを汲んでいる人たちも含める場合もあります。
広義で使う場合は、「Wikipedia」での定義のように、場合によって意味が異なります。
そして、この「オルタナティブ」という言葉はムーブメントの終息と共にあまり使われなくなます。
2000年代に入ってから起きた、Smallroomのコンピレーションあたりに端を発する、似たようなムーブメントを「インディー」と呼ぶようになったのでは、と僕は思っています。
※一番上の写真は2年前に開かれた「タイ・オルタナティブ音楽祭」。歌っているのは大トリを努めたPang Nakarin Kinsakです。
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